WPサスのオーバーホール
以前からRサスをグレードアップしたかったのだが、新品はとても高くて買えない。
オークションで探す事数ヶ月、やっと出物が見つかった。
社外のサスと言うとオーリンズが一般的だが、あの黄色いスプリングはね〜。
赤白ボディーの車体には白いスプリングの方が似合うと思い、WPサスを手に入れた。
比較的安く落札出来たのだが、やはりオイル漏れをおこしている。バンプラバーもボロボロ。
まあ、2〜3年に1回はオーバーホールしなければならないものだから、この際徹底的にやろう。
サスのオーバーホールは自分ではやった事がないし、ノウハウもない。
ここは業者に任せる事にして、さっさと梱包して発送する。
サスオイルやゴムシールなどの消耗品は当然交換なのだが、一番気がかりなのはロッドの状態。
打痕などによる錆が有ると、最悪再メッキ処理をしなければならない。
数日後、業者からロッドの状態についてメールが送られて来た。
メタルの焼けが少しあるものの、幸いにして傷や錆はないとの事。一安心。
我が社の取引先にイオンプレーティング工法によるコーティングを行っているお客様がいる。
イオンプレーティング工法とは、真空蒸着メッキの一種である(多分・・・)
一般的な真空蒸着は、鏡のメッキや眼鏡の反射防止処理などに応用されているが、フライス盤等の切削工具のチタンコーティングなんかは、このイオンプレーティング工法によるものである。
このお客様とは十数年のお付き合いになるのだが、ダメ元で菓子折り持って頼みに行ったら「良いよ〜」って快諾してくれた。
早速サスを送った業者にメールして、ロッドだけ送り返してもらうように頼んだ。
送り返してもらったロッド。
下のロッドに焼けが見られるが、傷・錆は見当たらない。
軽くバフがけして先のお客様にロッドを送った。
ちなみに傷や錆が酷く再メッキが必要だと、1本あたり1万円前後の費用がかかってしまう。
イオンプレーティング工法によるコーティングのメリットは次のとおりである。
1)硬度がクロームメッキの2倍以上 → 飛び石などによる傷が付き難い。
2)耐食性
3)耐摩耗性
4)表面の面粗度が高まる → 作動フリクッションの減少
ただ、耐摩耗性に優れていると言うことは、相手方(ゴムシール)への攻撃性が高まるのでは?
と言う心配が残る。
10月18日
コーティング処理を終えたロッドが戻ってきました。
最近のチタンコーティングは黒色なのです。
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と言うのは冗談です。
実はDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン=ダイヤモンドのような炭素)コーティング加工いたしました。
DLCの詳細は色々なサイトに出ているので省くが、そのメリットは
1)硬度がチタンの1.5倍〜2倍
2)摩擦係数がチタン0.45に対して0.1である。
しかしデメリットも有って、衝撃荷重に弱いそうだ。
よってフロントフォークのような飛石の危険性があるパーツには不向きなようである。
今回DLCを選択したのは、実はコーティングの処理温度の問題だそうである。
私のお客様の話によると、コーティングする部材(ロッドのこと)を検査してみると、製造過程での焼鈍しの温度が
200℃〜250℃らしい。
チタンコーティングの処理温度は450℃〜500℃なので、この温度まで加熱してしまうと部材の硬度が変わってしまう可能性が有る。
DLCの処理温度は200℃〜250℃であるため、今回はDLCを選択したそうだ。
それでは早速ロッドを業者に送りますか。
10月27日
業者からサスが戻ってきました。
黒いロッドが目立つ・・・・・全く目立たず。
右下に写っているのは今回交換したシール類です。
部品代(シール類・サスオイル・バンプラバー)は
1万4千円弱もかかってしまいました。
まあ、DLCコーティング込みで考えれば格安だったでしょう。(お客様ありがとうございます)
さて明日サスを取り付けて、明後日は久々のロングツーリングだ!